地域で完結する資源循環へ

地域で完結する資源循環へ 

愛知・瀬戸市で進む廃プラスチック再資源化の挑戦

循環型社会の実現に向けた取り組みが全国で進むなか、愛知県瀬戸市で興味深い実証実験が行われている。リコーを中心とした企業連携による廃プラスチックの地域循環プロジェクトだ。

これまで企業が排出する廃プラスチックは、適切に分別されていても発生量が少ない場合には回収コストが見合わず、リサイクルにつながらないケースが少なくなかった。
その結果、再資源化できる素材であっても焼却処分されることがあったという。

今回の実証では、複数の工場を巡回して回収を行う「ミルクラン方式」を採用。日東工業やリンナイの工場から集められた廃プラスチックは、地域内で再生原料となり、最終的にはゴミ袋として再製品化される。回収から再利用までを地域内で完結させることで、資源循環の効率化を図っている。

注目したいのは、単にリサイクル率を向上させるだけでなく、「資源が循環する仕組みそのもの」を地域に根付かせようとしている点だ。
自社から出た廃プラスチックが新たな製品となって戻ってくることで、従業員一人ひとりが循環の成果を実感できるようになったという。こうした体験は、数字だけでは生まれない環境意識の醸成につながるだろう。

さらにリコーは、樹脂の種類を判別するハンディーセンサーや回収量を可視化するデジタルツールの開発も進めている。資源循環を拡大するためには、人の努力だけではなく、DXによる効率化や品質管理が欠かせないことを示しているように感じる。

2025年4月には改正資源有効利用促進法が施行され、再生プラスチックの利用拡大も求められている。これからの資源循環は、一企業だけで完結するものではなく、地域や産業を横断した連携が重要になるだろう。
廃棄物を「ごみ」として処理する時代から、「地域の資源」として活用する時代へ。瀬戸市で進む今回の実証は、循環型社会の未来像を示す一つのモデルケースとして注目されるのではないだろうか。